将棋漬けの2泊3日の合宿をすると、棋力はアップしているもの。
それを信じて合宿翌日に、兵庫県朝日アマ名人戦に参加してきました。(顧問)
いくつか個人的に良い手をさせたと思ったので、ご紹介します。
1回戦は先手。
戦型は、顧問の中飛車に対して、後手超速の構えを見せてきたので、ツノ銀中飛車で待ち構えることに。
後手超速に対して、▲5五歩と突いていると、角銀で5五の地点を狙われるのがネック。したがって、昔ながらのツノ銀で対抗することにしました。
数手進んで、次の図。
後手が△8六歩と突いた局面。▲7七桂で角道が止まった瞬間を狙って、飛車先の歩を交換してきたが、中飛車の手筋にハマることに。
▲8六同歩△同飛▲6五歩。
この▲6五歩が厳しく、△同桂▲同桂が飛車取りになるのが大きく、先手が桂得になった。
しかし、桂得しているのに局面難解なのが将棋の難しいところ。
①桂を取られたくない→▲6六歩は、△8七歩▲8九飛△6五銀▲同歩△8八歩成が厳しい。
②受けが難しそうなのでさばく→▲4六角△6五銀▲9一角成△6六桂▲6八金△8八飛成などが厳しいだろう。
ということで、指をしならせて指した手が▲5五歩!
▲5五歩は、
①△6五銀は▲6六歩や▲7七桂で銀を捕獲することができる。
②△5五角は、▲7三桂成!△同飛▲6五歩で、やはり銀を取れる。
③本譜の△8六歩▲8八歩△5五銀には、▲4五桂で5三の地点で金桂交換になってかなり先手優勢。
そして、進んでこの局面。色々な手が見えると思います。
私は、2択で悩んだ挙句▲4五金を採用しました。玉頭を手厚くして、後手陣にプレッシャーをかけるのが狙い。△5四歩で5五銀を支えるが、次の一手問題で出てきそうな一手がありました(指せなかった・・・)。正解は▲5二歩。放置すると、▲5一歩成でと金を作ることができるのが大きいだろう。したがって、△5二同金▲5四金で、次の▲5三歩の押さえ込みや▲5五金からの駒得拡大で後手陣は辛い形であった。
2択のうち正解は、▲6六銀!
△6六同銀は▲5三飛成で先手勝ち。
△5六歩は▲5五銀△同角▲5六飛で捌けて先手優勢。
△5四歩は▲5五銀△同角▲同飛!△同歩▲5四歩△同金▲7二角で先手指しやすい。
というわけで進んで次の局面。
ここで先手に何も手がなければ、せっかく金桂交換の駒得だっただけにもったいない展開となる。
そこで▲6二歩がじっと戦力拡大を目指す一着で、先手が流れをつかむこととなった。
そのと金を大活躍させて次の図。
△6七歩成の成り捨てで、▲同金は△8七飛成で眠っていた飛車を成られながら金取りが厄介。
そこで、▲8六角が金を犠牲に飛車成を阻止しながら後手陣をにらんだのが好判断。以下、▲5七と〜▲6八銀で寄せ切った。
2回戦の相手は、今年の兵庫県アマ名人戦の兵庫県代表者。超強豪。
序盤から中盤にうまく駒組みを作り、優勢を築くも1手甘い手を指してからは辛い局面が続きました。
ようやく回ってきたチャンスが下の図。
▲1四歩に対して、△1八歩で端を止めた局面。
△1八歩に変えて、△2五金や△2五桂で玉を逃げられると、かなり先手が辛かったところ。
ここで、▲1三歩成△同玉▲2七香!が厳しく逆転となりました。
以降は、△2五歩▲1八香△2三銀▲5六龍!
次の▲1四香の詰めろを受けて△1四歩には、さらに▲4五龍で駒を入手して勝ち切りました。
戦型は相振り飛車。相手の方の陣形がやや特殊な形でした。
何の変哲もない局面に見えますが、ここは先手がチャンスの局面です。
考え方は、
①桂馬を入手したら、▲5五桂
②香車を入手したら、▲3四歩△同金▲3六香
③▲8五桂に銀を逃げると、▲6五歩△同歩▲5五角が厳しい。
もう▲8五桂からの攻め以外考えられない局面です。
以上の理由から後手も銀は逃げにくいし、桂香も渡しにくいということで、△2四角▲7三桂成△同桂で次の局面。
相振り飛車といえば、この手筋!ということで、
▲3四歩△同金▲2三銀△3五金▲3六歩で金を捕獲して、勝ち切りました。
代表決定戦の相手は、前対局で居飛車をしていたので、迷わず中飛車に振ると向かい飛車にされました。
最近の個人的トレンドは中飛車vs振り飛車で、研究していた手順にはならなかったですが、かなり面白い展開となりました。
この局面は△4五銀で△3六銀を狙ってきたところ。
そこで▲5四銀で激しい攻め合いに持ち込みました。以下、△5四同銀▲同飛△3三桂としたのが次の局面。
ここで大長考。読みは▲3五銀!
△5三歩▲2四銀△5四歩▲3三銀成△6四角▲2一飛△8九飛でどうか?
▲5八金左は△2八角成▲同玉△3九銀が痛いが、▲7九桂で受けてやや先手指せるように思いました。以下、△5二金に▲6五桂が▲5三歩を狙って先手の攻めが好調です。
ということで、後手は△2一飛でおとなしい展開に。うまくポイントを上げたものの、うっかりミスがあり粘りに粘ってチャンスを掴んだ局面。
ここで残り時間を全投入して、▲9三角成で斬り合いに。以下、△5六銀▲6四銀成△同歩▲8四桂の寄せを見せました。自玉は全く詰まないだろうと詰まないだろうとタカをくくっていましたが、いざ次の局面を迎えたときには詰んでいる気がして血の気が引きました。
今冷静に見ると、▲9三角成ではなく、▲6四銀成△5六銀▲5三歩成ならば、わかりやすく勝ちでした。
さて、この局面を迎えたときには、こちらは30秒将棋、相手は10分以上持ち時間を残している状況。
そこで相手も残り時間の10分を全投入して詰むや詰まざるや。相手の10分の思考中に自分の玉の詰みと相手の玉の詰みを読み切るのか非常に難しく、いまだにどちらが勝っているか難解です。対局後の検討では、やや先手が残しているか??という結論でしたが、後手勝ちだと思う人は教えてください。
さて、本譜は△8四歩▲5三歩成△4三金で迎えたのが次の局面。
一見、後手が勝ってそうですが、後手玉にぴったりの詰みがあります。ぜひ考えてみてください。
兵庫県代表として、11月3日に行われる関西ブロック大会に進出します。
関西代表は4人?なので、代表が取れるように頑張ります。